よくある間違い（交通事故）
作成日:2016年07月10日（日）
仕事をしている中で、よくこんな間違いが世間の常識としてまかり通っているなぁと感じることがあります。
その一つが交通事故の慰謝料と治療費です。
まず、病院に通った回数に比例して慰謝料が増える、というのは間違いです。
また、病院等の治療費は必ず保険会社が負担する、というのも間違いです。
治療費は、保険会社がとりあえず一旦立て替えて払っているだけで、実は被害者のポケットマネーから出捐しているという場合があります。つまり、病院に通えば通うほど、ポケットマネーから治療費を支払っているということになります。
このように病院に通えば通うほど貰えるお金が減っていくということは、被害者側に過失が全くない場合でもあり得ますし、被害者側にも過失がある事案では、より顕著になります。
保険会社からの和解書で、治療費の何割かが「既払い額」として、既に支払ったという扱いで差し引かれることになります。
治療開始の初期段階で相談に来られた方には必ず説明するのですが、ある程度期間が経ってから相談に来られた方で、既に治療費に相当額使っている場合は、どうしようもありません。
『病院で治療費は保険会社が出すと言われた』、『保険会社にそう言われた』と言われる方もいます。まさか治療にいくと貰えるお金が減るとは思わなかったと言われる方が、半分ぐらいはいるイメージです。
もちろん、痛みがあり受診したいというのであれば、通うべきですが、通院した回数を増やしても慰謝料の額は増えないし、逆にポケットマネーから治療費を出捐しているので、手元に残るお金はどんどん減っていっているという意識は持っておいたほうが良いでしょう。
