スレッド全体が削除された裁判例
「スレッド全体を削除することはできますか」と聞かれることがあります。SNSアカウント自体の削除を求める場合も同様です。
ハードルは高い
結論としては、ハードルはかなり高いですが、認められることもあります、とお答えしています。
ただ、認められる場合といってもケースバイケースで、ハードルが高いことは間違いありません。問い合わせをいただいた段階で「はい、できます」と即答できるケースは相当少ないと思います。アカウント全体の削除についても、同じように、かなり限定的な判断になります(アカウントについて、なりすましアカウントの場合は、まだ認められやすいと思います)。
投稿1つずつの削除が原則
原則としては、掲示板(スレッド)であれば、特定のレス(投稿)ごとに違法性が判断されます。SNSでも、一つ一つの投稿について個別に違法性を判断するのが基本です。スレッドやアカウントを丸ごと一体として見るのではなく、投稿単位で見ていくということです。
裁判で削除が認められた事例
そのうえで、スレッド全体やアカウント自体が削除されるパターンもあります。
私の経験では、裁判外の任意の削除請求でスレッド全体の削除が認められたことがありますし、裁判でも削除が認められた事例もあります。
数百件の投稿のうち、8割程度がいわゆる誹謗中傷の投稿がされていたスレッドです。
裁判でスレッド全体の削除が認められるのは相当レアで、かなり珍しいのだと思います。少なくとも、私が使っている判例検索システムで探した範囲では、同じような裁判例は見当たりませんでした。
このように、スレッド全体の削除は相当レアなパターンです。初回の問い合わせの段階で「全体を削除できます」と断言できる場合はほとんどありませんし、削除できると回答する弁護士もまずいないのではないかと思います。
スレッド全体削除が認められる事情
ただ、次のような事情を総合的に見ていくと、全体削除の可能性が見えてくることもあります。スレッドのタイトルそのものに問題がある場合、全投稿数のうち誹謗中傷が占める割合が高い場合、スレッド全体が実質的に誹謗中傷を行うための場になっている場合、個別削除の難易度の高さなどの事情です。
原則は「一つ一つの投稿ごとに判断する」という形になりますが、具体的な事情を丁寧に聞いたうえで、「このケースなら全体削除を狙えるかもしれません」という話をさせていただくことはできます。このように、スレッド全体の削除ができるかどうかは、じっくり話を聞いたうえで回答するという運用にしています。















