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裁判していることを公表すべきか | 阪神総合法律事務所|大阪、神戸間の弁護士

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コラム

裁判していることを公表すべきか

作成日:2026年05月05日(火)

「裁判の内容を公開してもいいですか」「開示請求の手続きをしていることを公表してもいいですか」と聞かれることがあります。

 

他の裁判分野では、このような質問を受けることはほとんどありません。しかし、発信者情報開示請求の分野では、相談者の半分ぐらいから聞かれます。

 

依頼者がインフルエンサーだったり、相当数のフォロワーがいる場合に多いです。誹謗中傷を受けると、依頼者の周囲の人やフォロワーも心配しています。その方々に対して、法的措置を進めているので心配しなくて大丈夫です、と伝える必要はあると思います。

 

また、誹謗中傷は、最初の投稿に他の利用者が同調・追随し、いわゆる炎上状態に発展することがあります。被害投稿がリポストされたり、XからYouTubeやTikTokなど別の媒体に転載・拡散されたりすることを抑止するために、弁護士に依頼した事実を公表しておきたい、という意図もあるのだと思います。発信者情報開示請求ならではのご相談です。

 

結論としては、原則として公表はしない方が無難です、とお答えしています。

 

公表することで、進行中の誹謗中傷の拡大を防いだり、一旦収束した後の再発を抑止したりするプラスの側面があるのは確かです。

 

しかし、裁判官からすれば、司法の場で解決を図っている最中に、当事者がSNS上で応酬を繰り広げることは、好ましい心証にはつながりにくいと思います。実際、当事者双方がインターネット上で互いの主張を公開してしまった事案で、裁判官から「場外乱闘のような印象」を持たれてしまったケースがあります。明確に「裁判外でやり合うなら裁判所に持ち込まないでほしい」と言われたわけではないですが、このような考えは持っていると思います。

 

また、開示請求の場合は、公開する時期によっては、手続きに大きな支障が生じる場合があります。

 

したがって、公表したいという希望がある場合は、事前に相談してくださいとお願いしています。公表するメリットとデメリット双方を依頼者と確認しながら、公表のタイミングや内容について検討すべきだからです。一律の正解はなく、案件ごとに個別に検討するほかないのが実情です。

 

依頼者の判断で先行して公表されることは、避けていただきたいところです。手続きを進める中で、必要性とリスクを共有し、ご納得いただいたうえで対応するという運用にしています。